Le whisky c'est pas sorcier

各種のウイスキーを調べて購入して味わった記録

カバラン・ディスティラリーセレクト・ナンバー2

 

ウイスキー・二元論

台湾で2005年から創業しているカバラン蒸留所は、スコッチとジャパニーズしか興味がないこだわりのウイスキー好きにも、その名前を十分に認知される存在になった。サントリーが「山崎」と「白州」を、ニッカ(アサヒ)が「余市」と「宮城峡」をそれぞれ別の蒸留所でシングルモルトを二元論で作るが、カバランは1つの蒸留所でディスティラリーセレクトの「ナンバー1」と「ナンバー2」の2つの入門シングルモルトを掲げる。

 

山崎と白州は甲乙つけ難く人気が拮抗する。余市と宮城峡では余市の方がやや評価は高いようだ。ノンピートで華やかな山崎、宮城峡と、ジワーっと沁みるピートが心地よく魂を浄化する白州と余市は比べるものではないけども、個人的には白州、余市こそがジャパニーズウイスキーの価値を示していると思っている。

 

 

才能あふれるナンバー1

山崎(実勢10000円)、宮城峡(実勢6000円)よりも甘くフルーティなカバラン・ナンバー1は、実勢価格5000円とは思えない素晴らしい完成度を誇る。初めて飲んだ瞬間から日本の山崎、スコッチのマッカランと並び立つ、国を代表するウイスキーの品格を備えているのではないか?と思わせてくる。山崎ノンエイジやマッカラン12年の美味しさでウイスキーの魅力にのめり込む人は多いが、カバラン・ナンバー1もそんなポテンシャルを持つ至高なウイスキーだ。

 

すでに山崎、マッカランを撃墜してしまうほどの名声を得ている「カバラン・ナンバー1」に対して、「ナンバー2」を名乗るウイスキーがある。抜栓すると白州ノンエイジのような主張の強い香りが漂う。ナンバー1が陽で、ナンバー2が陰という立ち位置はブレンダーもファンも異論は少ないと思う。ウイスキー専門家もナンバー1と比べると「ちょっと残念」みたいな評価が多いのだが、ナンバー2にも素晴らしい世界観があると主張したい。

 

 

ウイスキーのスタート地点

ウイスキー初心者から圧倒的な支持が得られるのはナンバー1だ。スコッチでもジャパニーズでもない銘柄だけど、ウイスキーこそがスピリッツの頂点であることをあっさりと示してしまう。これは全てのウイスキーにできる所業ではない。サントリー「角」やアサヒの「ブラックニッカ」シリーズは、ハイボール専門の調合にもかかわらず、クラフトビールの豊かな味わいの前には劣勢になる (糖質無しと考えると素晴らしいが・・・)。

 

クラフトビールに負けない豊かな味わいのハイボールを求めるならば、山崎、白州、余市、宮城峡などのシングルモルトになる。このレベルが他の醸造酒、蒸留酒を排除して「好んで飲むウイスキー」のスタート地点と言える。45ml原酒のハイボールで15杯分のフルボトルが、今ではネット通販で手頃に調達しても7000円以上になる。2杯で約1000円だが、それでもビールの2倍程度のコストなので許容範囲ではある。

 

 

1軍入り

ジャパニーズのノンエイジ・シングルモルトよりも手頃な価格の約5000円でカバランが日本市場に導入しているのが、ナンバー1とナンバー2だ。その実力は確かで、週2、3回で1度に2杯限定で飲む習慣なのだが、1軍(1杯目要員)メンバーに選んでいる。際限なくボトルが開いてしまうのを防ぐため1軍24本、2軍12本と決めている。

 

2軍12本の現在のメンバーは、

ラフロイグ・セレクト

グレングラント・アルボラリス

グレンリベット・ファウンダーズリザーブ

ブラック&ホワイト

スコティッシュリーダー・ストリーム

ジョニーウォーカー・ブラック

ジョニーウォーカー・ダブルブラック

ジョニーウォーカー・ブラックルビー

グランツ・トリプルウッドスモーキー

アイラミスト・ダブルピーティッド

アイリーク・カスクストレングス

IWハーパー・ゴールドメダル

 

で、1000〜5000円の範囲で好みのウイスキーとしては、かなり最強の陣容だと感じている。1履24本 (5000〜15000円程度) はどれも個性的ながらも至極に旨い。毎回のように最高の1杯目を経ての2杯目を担う2軍の選択はシビアだ。

 

 

ラフロイグに比肩

カバランのナンバー1、ナンバー2はこれらの2軍よりも個性的で、年数表記なし(ノンエイジ)であるけど、熟成感が際立つ。1杯目にナンバー2で、2杯目にラフロイグ・セレクトを持ってきても、ナンバー2はアイラの超名門ブランドを押し返す。新ボトルになっても1軍の常連であるラフロイグ10年 (実勢価格6000円) の研ぎ澄まされたピート香と芳醇な味わいの前には、さすがに分が悪いけども・・・。

 

基準が不明確で恐縮だが、個人的な格付けではラフロイグ10年>ナンバー2>ラフロイグセレクトの順になる。ラフロイグは飲む人を選ぶブランドとして知れ渡っているが、そんな気高いスコッチの大正義に、露骨なヘビー・ピートではなく味わいで勝負を仕掛けたナンバー2の挑戦こそが、カバランの魅力だと思う。余市や白州が辿った道と言われればそうなのかもしれないけど、これだけの完成度のシングルモルトを日本に5000円で届けたことに感謝する。

 

 

カバラン ウイスキー ディスティラリーセレクト No2